再生医療
自己血液から生成するCGFを用いた再生療法
CGF再生療法とは
人の体は通常、怪我で血管に傷がつき血が出ると、血液中の血小板が集まって血管の穴を埋めるために、血液を固める成分(凝固因子)が放出され、フィブリンという物質が作られ、傷の治りを促進させます。
CGF(Concentrated Growth Factors:凝集成長因子)とは、専用の遠心分離器で血液を遠心分離して生成したフィブリンと傷の治癒や組織の再生に有効な血小板や成長因子を濃縮したゲル状の塊です。遠心分離器の回転数を精密にコントロールして遠心分離することで、血を固めようとする血液の成分(凝固因子)が刺激されて、ご自身の血液のみから作られる完全自己血液由来のフィブリンゲルです。インプラント治療では、骨が足りない場所にCGFを填入したり、膜状にして骨を覆って骨の再生・治癒を促進したりするのに使用します。 CGFは添加物を入れずに、本人の血液のみで生成できるので、従来の骨移植で懸念されていたアレルギーや感染のリスクが軽減し、より安全に、患者の負担が少ない治療です。
CGFの作製法
AFG(Autologous Fibrinogen Glue:自己フィブリノーゲン糊)とは
抗凝固剤を加えておらず自然な状態に近い血漿で、液状です。プラスチック管で遠心分離します。AFGに骨補填材を混ぜることにより粘土状に固まり、骨の再生誘導ができるようになります。
CGFとAFGの特徴
- 成長因子を非常に多く含む血小板がさらに濃縮されているため、骨の少ない場所に使用すると再生が早まる
- 抜歯箇所の止血や保護、感染防止などに役立つ
- 本人の血液だけで作製できるので、拒絶反応やアレルギーなどが出にくい
症例1
- 左側上顎側切歯の歯根嚢胞摘出術および歯根端切除後 にAFG+人工骨填入+CGFメンブレンで被覆し閉創
症例2
- 右上顎第二小臼歯抜歯後 CGF填入
- 骨再生の確認
- インプラント埋入
症例3
- 上顎インプラント周囲炎に対する肉芽掻剥し、抗生剤洗浄。骨欠損部にAFG+人工骨填入CGFメンブレンで人工骨を被覆し、骨膜弁を戻し縫合閉創(GBR法:骨再生誘導法)
治療にかかる費用
CGFとAFGによる顎骨再生療法
¥54,000 ~
CGFの臨床応用
- 骨補填材(人工骨)と混合して使用
- 骨補填材の代わりに単独で使用
- 生体膜として使用
- 止血、疼痛コントロール、感染防止
- 歯周組織再生にも使用可能
当院では
当院では、再生医療を行うにあたり法律で義務付けられている届け出手続きを行い、地方厚生局より発行される施設番号を取得しております。